矢月秀作『もぐら』

もぐら (中公文庫)

もぐら (中公文庫)

もぐら 讐 (中公文庫)

もぐら 讐 (中公文庫)

もぐら 乱 (中公文庫)

もぐら 乱 (中公文庫)

 久しぶりに読んだハードボイルド、三部作。一冊あたり2時間程度で読める面白さ。少々荒唐無稽な感じもあるが、マンガちっくで楽しめる。スカッとしたい時に読むといい本。

 第一作目は主人公の過去が記されるとともに、ハードな戦闘シーンの連続。闘いの描写、特に体術系の描写が絶妙にうまく、思わず映画のワンシーンのように想像させる。ラストは黒幕登場も、そこに至るシーンがやや雑駁な感じで残念。

 第二作目は主人公の圧倒的な強さはあまり目立たないものの、悪役がキャラ立ちしはじめる。また前作同様、背後の黒幕落ちもあり、前作よりもストーリー的に面白さが上回っている。この作品を通じて、主人公完全復活。

 第三作目は第一、第二のいいとこどり。まさに完成度が上がっている作品。荒唐無稽さは第一作同様。戦闘シーンの書き込みもいい。また今回は敵役の設定が非常によく、思わず肩入れしたくなってしまう。落ちは一緒だが、これでもかっというくらい満足作品。ここまでいくと映画化、ドラマ化もできるのでは。ただし全体的に人殺しすぎ。。。