東野圭吾の奥深さ

 

麒麟の翼 (講談社文庫)

麒麟の翼 (講談社文庫)

 

 やられた。ますます上手になっている。日本橋麒麟をモチーフに家族や、少年の抱える問題、学校の問題、さらには格差の問題まで含め重厚な作品に仕上がっている。いろいろな意味で感動してしまった。主人公の加賀も冴えわたる。読んでいると阿部寛が浮かんでしまうのはドラマの影響か、ドラマが作品に反映され始めているのか。

ヒートアップ矢月作品

 

D1 警視庁暗殺部 (祥伝社文庫)

D1 警視庁暗殺部 (祥伝社文庫)

 

 

 

D1 海上掃討作戦 (祥伝社文庫)

D1 海上掃討作戦 (祥伝社文庫)

 

 モグラシリーズも終了し、次の作品に期待していたが、あっという間に出てきた新シリーズ。日本版ミッションインポッシブルか。キャラクターも面白く、設定現代だけど日本刀の使い手がいるのもなかなかしびれる。海上掃討作戦の方がストーリー的には練ってある。

 

闇狩人 バウンティ・ドッグ (朝日文庫)

闇狩人 バウンティ・ドッグ (朝日文庫)

 

 D1シリーズが続くかと思いきや、突如また違う主人公。もうこれは西部劇の賞金稼ぎの世界。矢作作品のテイスト満載。例によって格闘シーンの描き方がが抜群にうまい。千脇肉躍るハードボイルド。こちらの方がモグラに近い作品。文句なくおもしろい。

植民地問題と人種主義を知る

 

ヘイト・スピーチとは何か (岩波新書)

ヘイト・スピーチとは何か (岩波新書)

 

 近年のヘイトスピーチの言説に対し、一定の法的規制をかけるか否かは難しい問題であるが、その背景や世界的な情勢もしっかり調べ、法的規制の必要性をとく硬派な作品。なにより近年のヘイトスピーチに対して絶対的に戦う姿勢が貫かれていてすがすがしい。

 

植民地朝鮮と日本 (岩波新書)

植民地朝鮮と日本 (岩波新書)

 

外村大『朝鮮人強制連行』

 

朝鮮人強制連行 (岩波新書)

朝鮮人強制連行 (岩波新書)

 

 

昨年の出版

 

レイシズムと外国人嫌悪 (移民・ディアスポラ研究3)

レイシズムと外国人嫌悪 (移民・ディアスポラ研究3)

 

 

 

グローカル時代の社会学―社会学の視点で読み解く現代社会の様相

グローカル時代の社会学―社会学の視点で読み解く現代社会の様相

 

 

野間易通『「在日特権」の虚構』

 

「在日特権」の虚構 : ネット空間が生み出したヘイト・スピーチ

「在日特権」の虚構 : ネット空間が生み出したヘイト・スピーチ

 

ネットで垂れ流される「在日特権」という言葉と、その内容。多くの場合はくだらない、無視といった態度をとることが多い。しかしその内容を正面から受け止め、その主張の何が間違っているのかをしっかり考察し、批判する。「レイシストしばき隊」の創設者が言論の世界でも、反在特会の旗をふりはじめた。内容的にはまともすぎるほど、まともな内容。読みやすさも含め、多くの人に読まれてほしい本。