見田宗介『現代社会はどこに向かうのか』

永山則夫の起こした殺人事件を分析した「まなざしの地獄」から約30年。秋葉原の無差別殺人事件を「まなざしの不在」の時代の殺人事件として対比する。この二つの事件を合わせ鏡として、社会で求められる人間の関係性、そして現代社会の構造的な特徴を鋭く分析する。平易な言葉でつづられつつも、我々が直面している社会を鮮やかに浮かびあがらせている。